くらしのこみち

【助松】和包丁

今月のお道具
2024.1.30
【助松】和包丁
切れ味抜群の和包丁

和食にあう包丁

日本列島は周囲が海に囲まれているため、肉よりも魚や野菜を中心とした食文化が普及し、それに適合する刃物「和包丁」づくりの技術が発達しました。
また日本には四季があり、その時期にしか味わえない旬のものを食べる習慣があります。春夏秋冬それぞれの季節の食材を色鮮やかに食卓に並べるため、様々な種類の「和包丁」が必要とされてきました。

堺打刃物(さかいうちはもの)とは?

堺打刃物とは、大阪府堺市とその周辺地域で高度に発達した「鍛造」鍛冶技術と「刃付け」と呼ばれる研ぎの技術によって製造される、包丁やはさみの総称です。全国シェアは約7%、業務用(プロ用高級品)においては圧倒的なシェアを誇っています。経済産業大臣指定伝統的工芸品にも認定されています。
堺打刃物のルーツは、5世紀中頃までさかのぼります。世界遺産である仁徳天皇古墳造営のために、全国から様々な職人が堺に集められ集落を作ってすみつき、そこに鍛鉄技術が伝えられ、造営用の鋤や鍬などの土工具が生産されたといわれています。
その後、16世紀にポルトガルから鉄砲やたばこなどの南蛮渡来品が国内に伝わるようになると、堺では刀製造として引きつがれてきた優秀な鍛鉄技術が生かされ、鉄砲の製造がはじまり、天正年間にはタバコ包丁が造られるようになりました。 そして17世紀の元禄年間に出刃包丁が作られるようになり、これが堺の包丁の始まりといわれています。

堺打刃物の工程

堺打刃物は鍛冶、刃付け、柄付けと製造工程が分業化されており、それぞれの専門職人の手を経て完成されます。
鍛冶職人の朝は早く、外が明るくなる前に仕事を始めます。明るくなると炎の温度が分かりにくくなるためです。そのため作業場は暗く、熱気に満ちています。
地金に鋼を合わせ炉に入れて約1,000度に熱するところから始まり、約10工程を経て包丁の形に整えていきます。硬い地金(軟鉄)が炉の中で色づき、そしてたたかれることによりどんどん形を変えていく、そして強さも増していきます。この時点では太古に使われていた刃物?武器?という感じ。
そして次の刃付け(研ぎ)職人の手へ。 研ぎ棒に包丁をはめ、鉄のハンドルを利用したテコの応用により、粗い目の回転砥石で全体を粗く研ぎます。そして木の台の上でゆがみを調整します。 ここから厚さを決めたり、刃を付けていきますがここでも何十回もの調整が行われていきます。
昔ながらの古い道具に囲まれた工房。黙々と作業が進められていき、そしてようやく私たちの目にも見慣れた包丁の刃の姿になるのです。

切れ味のよい包丁

包丁の切れ味がよいと食材をストレスなく切ることができるため、調理もはかどり、また見た目も美しく仕上がります。
切れ味のよい包丁を使うことで断面をつぶすことなく、大小さまざまに切り分けることが可能に。そして、切った面の繊維が荒れずに水分をじっと閉じ込めるため、食感もよく、よりおいしく食べることができるのです。

使用上のご注意

① 食器洗浄機はお使いいただけません。
② 中性洗剤とスポンジで背の方から挟むように洗ってください。
③ 洗ったあとは水気をしっかりとふき取ってください。錆の原因となります。
④ 切れ味が鈍ってきたと思ったら砥石で研ぎましょう。
【助松】和包丁
【助松】和包丁
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