お土産を選んでいるといかにも老舗っぽいその土地の銘菓や、最近ではモダンでおしゃれなパッケージ、アート作品のようなお菓子に流行りのバターやキャラメル推しの商品などあれこれ目移りしてしまいます。私の旅の楽しみの半分ぐらいはお土産選びといっても過言ではありません。そんな時に目に飛び込んでくる、唯一無二、デザインがかわいくて特徴のあるパッケージのものはついつい挑戦してみたくなるものです。レーコードのジャケ買いはしたことはないのですが、お菓子のいわゆる「パケ買い」はしょっちゅう。あまり好みではなくて失敗することもあるし、驚くほど大当たりすることもあるし…。お菓子探しの旅はだからやめられないんですよね。

カラフルでかわいいフォークロアな世界観

最近のガチャガチャコーナーといえば家電やインテリア、駄菓子のミニチュアや人気ラーメン店のフィギュアなど懐かしさとミニサイズにすることのかわいらしさ、そして何より大人のコンプリート欲を刺激するラインナップとなっています。そんな大流行のガチャガチャをはじめとして、人気お土産ブランドのグッズ展開が拡大しています。大好きなお土産ブランドの包み紙の柄やキャラクターが使用されたマグカップやエコバッグ、マスキングテープやクリアファイルなどなど。ご当地や本店などでしか扱っていない場合もあり「そこでしか買えない」を売りにしたアイテムの数々がとっても気になります。グッズ展開といわずとも、かわいいカンカン入りのお土産などは、お菓子を食べ終わったあとまで楽しめるので昔から人気ですよね。
今回の「チロリアン」も、チロル地方のフォークロリックな世界観がとってもかわいらしい。デザイナーの故・長尾守氏がデザインしたというカラフルで陽気な踊りや音楽を奏でているような姿が特徴的なキャラクターがパッケージに使用されています。学生旅行でヨーロッパを周った時に各所の「蚤の市」が刺激的で楽しくて仕方なかった。チロリアンテープやデッドストックの生地を買いあさり、ろくに読めないフランス語で書かれた世界の民族衣装の写真集を買ったのを思い出しました。独特の色遣いや柄は見ているだけでも楽しく心がとてもわくわくしてきます。

かわいいカンカンはお茶セットのレギュラーに

フォークロリックなかわいらしさ満載の「チロリアン」、カンカンのものを自分用に選んだのでしばらくは家で活用してみたいと思います。とりあえずフレッシュを入れておやつセットを彩ってみたら、あらかわいい。そんなパッケージデザインやCMの陽気なチロルダンス以外に、なにかきっかけがあってチロル地方なのか⁉その理由を探しにホームページを拝見してみました。
千鳥饅頭総本舗の先代会長・原田光博は、菓子職人の修行として渡欧した際、オーストリアのチロル州にあるSOS子どもの村という場所を訪れたことがあるそうです。実の親と暮らせなくなった子どもたちが、里親の愛情に包まれながら生活する姿に深い感銘を受け、お亡くなりになるまでずっと福岡に日本初のSOS子どもの村を設立しようと奔走したそうです。そんな先代会長の社会貢献活動を背景に見た目のみならず「みんなが明るく楽しい毎日を送れる」そんな未来を思い描いた商品だったのですね。
ところで今回の「チロリアン」、関西でもやたら目にしているような⁉と気になって調べてみました。「千鳥饅頭」で知られる千鳥屋は、１６３０年に佐賀県で創業した和菓子屋がはじまりで、戦後に事業を発展させた方の息子さん４人がそれぞれ事業を引き継ぎ、

次男　千鳥饅頭総本舗（福岡市）
三男　千鳥屋宗家（兵庫県）
五男　千鳥屋本家（福岡県飯塚市）
があるらしく、私がよく目にしているのは千鳥屋宗家「プレミアムチロリアン」のようです。実は今回食べ比べもしてみたのですが…見た目も美味しさもほぼ同じと感じました。少しだけクリームの濃さが違うような⁉

気になる！中が空洞のチロリアンエアー⁉

チロリアンをInstagramで検索しているとクリームの入っていないチロリアン、その名も「チロリアンエアー」なるものを投稿している方がいらっしゃいました。それはもう、かの有名なヨックモックのシガールではないのか⁉と頭をよぎりましたが、その投稿者さんはなんと空洞のチロリアンエアーにスイートポテトをいれてオリジナルのお菓子を楽しんでいました。
むむむ‥これは奥が深そうだ。是非今度試してみなくてはとわくわくしてきました。
個人的にまず試したいのは、最近のお気に入りのヤンヤンつけボー いちご味のいちごクリームを是非入れてみたい！あと以前この連載で書かせていただいた中村屋のあんまんの中身「黒ごま香るなめらかあん」は試したいですね。爽やか系を狙うならクリームチーズ、あと何年もお気に入りの石垣島ミルミル本舗さんのミルクジャムも！
そんなことを考えていたら、ちょうど3時のおやつの時間になりました。今日は何味のチロリアンをいただこうかな⁉