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島の幸々

香川県手島産 400年の歴史があるまぼろしの唐辛子

手島「香川本鷹」
2022.5.31
「この歴史ある島の香川本鷹をつないでいきたい」

手島で唯一、香川本鷹の種を継承してきた高田正明さんは生前そう語り、最後の一人になっても香川本鷹を守り続けました。

今回ご紹介する商品はまぼろしの唐辛子「丸亀手島産香川本鷹セット」です。

瀬戸内海にたくさん存在する小さな島々。
その中の一つ、手島に伝わる一度滅びかけたまぼろしの唐辛子。
香川本鷹とは一体どのような唐辛子なのでしょうか。
香川県手島産 400年の歴史があるまぼろしの唐辛子
1.手島の歴史と風土

香川県丸亀市手島は、瀬戸内海に浮かぶ塩飽諸島(しわくしょとう)の一つの小さな島。丸亀港の北21kmの海上に位置しています。塩飽諸島は岡山県と香川県に挟まれた大小28もの島々から成り立っています。手島は左手の親指と人差し指を広げたような形が「手」に似ていることが島名の由来だとか。

「手島」と言う名前を初めて聞いた方もいらっしゃるかもしれませんが、手島の歴史は古く、かつて平家の落人が住みついて集落ができたと伝えられています。戦国時代には塩飽水軍が活躍し、江戸時代は人名による自治が行われましたが、近年は過疎化が進んでおり、島の人口は19人となっています。

手島の産業は、瀬戸内海の温暖な気候を利用した農業が主体。かつてタイ網漁で賑わった豊かな漁場があり、市内外から釣り客が多く訪れ、親しまれてきました。また手島供養踊り、新霊踊り、やっとこせ踊りなどの民俗文化も受け継がれています。
香川県手島産 400年の歴史があるまぼろしの唐辛子
2.一度は途絶えた幻の唐辛子、香川本鷹の歴史

今回ご紹介する香川本鷹は約400年の栽培の歴史ある香川の在来品種の伝統野菜。
かつて朝鮮出兵の際に活躍した塩飽(しわく)水軍が、豊臣秀吉から拝領されたと伝えられ、その後江戸時代から塩飽諸島で栽培されていた唐辛子です。

唐辛子の栽培に適した条件は、雨が少なく水はけの良い乾燥気味の土壌で、日当たりの良い丘陵地。瀬戸内の島々はその条件を満たしていました。手島ではその条件を生かし、高品質の本鷹を育てています。

昭和の初期〜中ごろまでは七味唐辛子の材料や、アメリカやヨーロッパへのピクルス用として高品質な唐辛子として輸出され、盛んに栽培されていました。しかし海外からの安価な輸入品に押され徐々に生産量が減少し、島の人口減とともに、ほぼ姿を消してしまいました。

そんな中、産地であった塩飽諸島の活性化を目的に、2006年に香川県、丸亀市、JA香川県が協力し、幻のトウガラシ「香川本鷹」の復活に向けた取り組みがスタート。香川本鷹の種が奇跡的に保存されており、試験栽培を経て、2007年に隣の島である広島と手島で本格的に栽培が再開されました。
香川本鷹は30年以上のときを経て蘇った、まさに幻の唐辛子なのです。

試行錯誤の上、ようやく手島の特産品として販売されるようになり、今では香川県下に少しずつ栽培が広がってきましたが、歴史ある塩飽諸島での栽培は手島と広島などで数軒の農家が残るのみとなっています。
復活プロジェクトからずっと栽培を続けてきた手島在住の香川本鷹農家の高田正明さんは、たった一人になっても手島で種を守り続けました。

ですが、数年前には売り先がなくなってしまっている状態で、知り合いに分けたり、それでも余ってしまうときには、捨ててしまうこともあったそうです。

それでも種を継いで栽培を続けてこられたのは、歴史ある塩飽諸島で栽培される香川本鷹の種を繋いでいくという想いからでした。

高田さんの想いに、香川県丸亀市の地場産業を盛り上げる商社の株式会社OIKAZEと大阪府堺市で日本に唯一残る鷹の爪純粋種を120年間守ってきた老舗和風香辛料店のやまつ辻田が強く共感し、意気投合。
高田さんが作った手島産の香川本鷹を使った一味、七味、柚子七味の商品開発を行いました。

2020年、ずっと種を受け継いできた高田正明さんが亡くなりました。 その後高田さんのご家族が2年ほど香川本鷹の栽培を続けましたが、奥さまも80歳を超える高齢のため、今年2022年に引退を決めました。

その年に合わせたかのように「手島で香川本鷹を栽培したい!」という若者が現れ、これからも手島の香川本鷹は続いていきます。
香川県手島産 400年の歴史があるまぼろしの唐辛子
3.辛くてうまい。旨味が魅力香川本鷹の特徴

日本の唐辛子には三鷹・八房・鷹の爪などの品種がありますが、香川本鷹はこの中でも最高品種といわれています。 香川本鷹の実は8月から9月にかけて鮮やかな赤に色づきます。
一般的な唐辛子と比べて大きさは約2~3倍、長さは7~8cmにもなります。
旨みのある強い辛味が特徴で、通常の唐辛子と比べると、辛み成分カプサイシンは3〜4倍、旨み成分グルタミン酸は3倍も含まれていると言われています。
現在は「香川本鷹」を用いて、和洋中こだわらず加工品が販売され、さまざまな料理のスパイスとして利用されています。
唐辛子は1つの株から一番手、二番手、三番手と次々と花が咲き、実がなります。
栽培時の苦労は8月から年内、長いときには年明け2月と収穫期が非常に長いこと。適熟を見極めながら半年以上収穫が続くので体力勝負なのです。香川本鷹は一般的な唐辛子より実が長く、厚みがあり乾燥するにも一苦労だといいます。

人口19人の小さな島で、高田さんやご家族が手島で最後の一軒の農家になっても毎年種を受け継ぎ、たくさんの人の力によって守られながら、また次の作り手へと引き継がれている、幻の唐辛子「香川本鷹」。

ぜひ一度試してみませんか?
香川県手島産 400年の歴史があるまぼろしの唐辛子
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