くらしのこみち

2024年(令和6年)5月 皐月

歳時記
2024.5.1
2024年(令和6年)5月 皐月
立夏 5月5日から 夏の始まり 緑さわやかな春から夏への移りかわりのころ
小満 5月20日から 万物が成長し、天地に満ち始めるころ 新緑から万緑へ


2024年(令和6年)5月 皐月
「風薫る、夏の支度の始まり」

陽射しも徐々に強くなってきて、爽やかな風の中にも夏の気配を感じる季節がやってきました。
5月5日は立夏。その少し前にやってくるのが八十八夜です。
八十八夜とは立春から数えて88日目という意味で、今年は5月1日です。
「夏も近づく八十八夜」という茶摘み歌が自然と頭に浮かんでくる方も多いのではないでしょうか?
八十八夜のころを過ぎると霜の降りる日が少なくなり、種まきや茶摘みに最適な時季だと、農家さんの間では昔から言われるそうです。
八十八夜に摘んだお茶は、長寿の薬になるといわれています。
新茶の優しい香りとほのかな甘みが、心も体も癒してくれますね。
産地ごとに新茶の時季が変わりますから、それぞれの地域の新茶を味わうのも楽しいひと時になりそうです。


2024年(令和6年)5月 皐月
ちまきと柏餅

5月と聞いてもう一つ思い浮かぶのが「端午の節句」。
現在は男の子が健やかに育つことを願う一日ですが、もともと旧暦の5月は梅雨で疫病や厄災が多い時季で、邪気払いの行事が行われていました。
その時に「強い香りが邪気を払う」として使われていたのが菖蒲の葉です。
その後武士たちが菖蒲を「勝負」「尚武」に通じる縁起物として大切にするようになり、次第に男の子の行事として広まったそうです。
そのため、現在も端午の節句には菖蒲湯につかる風習があります。菖蒲湯には厄除けや子供の成長を祈る意味も込められています。

端午の節句の食べ物として浮かぶのは、ちまきや柏餅。
どちらも男の子の成長を願って食べられるものですが、もともとは関西ではちまき、関東では柏餅と、地域によって風習が異なっていたことはご存じですか?
ちまきの風習は中国の古い歴史に由来するといわれています。
中国の古い言い伝えでちまきは「忠誠心が高いこと」の象徴とされており、忠義のある子に育つことを願って子どもに食べさせました。
その中国の風習が日本に伝わってきたとされています。
そのため、当時の都があった関西・近畿を中心に西日本にはちまきを食べる風習が広まりました。
一方で柏餅を食べる風習が生まれたのは江戸時代の日本。
後継ぎである男の子が元気に育つようにと武家の間で広まりましたが、西日本にはあまり柏の木が生育していなかったため、江戸を中心に東へと広まりました。


戻る