よろずを継ぐもの

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ROYCE'「グテ」

お菓子の史
第10話
2023.5.12
北海道で、どうしても買いたかったインパクト大のおやつは、北海道物産展の常連中の常連、定番中の定番ROYCE'から。今回は新千歳空港を満喫しようと帰りの便は余裕をもった時間で予約して、空港を端から端まで見てまわるためにガイドブックで予習済み。その中で1番気になった、パンを扱う直営店のみで買えるというのが今回の「グテ」です。
私の中でROYCE'と言えば「ポテトチップチョコレート」一択でした。そういえばベーシックな生チョコレートすら食べたことないかも…というぐらい「ポテトチップチョコレート」の甘いしょっぱいの無限ループに夢中で、指をベタベタにしながら何度も「今日はここまでにしておこう…」と箱を閉めて、「あと少しだけ…」と箱を開ける。この上なく誰にも見られたくない、至福のおやつ時間のおともです。
いきなり話がそれますが、北海道物産展などでたまに見かける時、「オリジナル」の横に白い箱が見えると「ホワイトチョコレート味かな⁉」と毎回気になるのですが、残念なことに「フロマージュブラン」、チーズ風味のホワイトチョコレートと書かれていてなんとなく私のアンテナに引っかかりません。チーズ風味がアクセントと書かれているのですが、そこはオリジナルより甘い、まろやかなホワイトチョコレートで良いのに…と実は思っていたりします。そして今回調べてみてはじめて知ったのですが、「キャラメル」「マイルドビター」そして期間限定の「メープルナッティ」などラインアップが増えている…!メープル好きの私としては「メープルナッティ」を是非食べてみたかったのですが、現在公式オンラインストアでは在庫なしとなっていましたので、もう販売期間が終了しているのかもしれません。

ROYCE'「グテ」

新千歳空港で楽しむ、旅の余韻

今回フライト予約までの2時間半ほど、たっぷりと新千歳空港での滞在時間を確保しました。各地の空港が旅の玄関口としてだけではない楽しみを提供する施設へとリニューアルが相次いでいるいま、新千歳空港も温泉に映画館、アニメのキャラクターコーナーなど、北海道味自慢以外にもたくさんのお楽しみスペースが詰め込まれていて、旅の通過点だけではもったいない、お食事、お買い物も含めた一大エンターテイメント施設になっていてとても楽しめました。
そしてお目当てのひとつ、Royce' Chocolate Worldは国内線、国際線を連絡する間の3F、少し落ち着いたエリアにありました。ガラス越しにみえるチョコレート工場、チョコレートが出来るまでやレトロなパッケージなどが見ていて楽しいミュージアム、そして道内に8店舗あるというベーカリーまで。チョコレートの甘い香りが漂う店内でおしゃれなチョコがけや、チョコ生地のパンを眺めながら、お目当ての「グテ」を無事にゲット。あちこち回って足が痛くてしょうがないのに旅の余韻を感じていたくて、名残惜しさをかみしめながら目一杯満喫して帰りの飛行機へ乗り込んだのでした。

ROYCE'「グテ」

想像以上にしっかりとした厚みのチョコレート

これはカロリーとか絶対気にしてはいけないやつだなと、板チョコレートの厚みをまじまじと見つめながら、そう思いました。
商品名の「グテ」とはフランス語でおやつという意味なんだそう。フランスでは、バゲットに板チョコを挟んで食べることがあるそうで、それをヒントに開発されたみたいですが、絶対バランスは違いますよね。もはやチョコレート味のパンではなくて、チョコレートのパン添えみたいなバランスです。そういえば、いまはまっている詩人の方のエッセイに食パンにジャンポールエヴァンのチョコレートを並べて焼いて食べたら美味しかったと書かれていたのを思い出しました。当分の間、北海道に行く用事もなさそうだし、まずはバゲットにDARSをはさむところから、オリジナルの背徳グルメチョコパンを追求してみるのも面白いかもしれません。

ROYCE'「グテ」

食べ進めてさらにびっくり

DARSはばらばらして食べにくいかな⁉なんてくだらない作戦をニヤニヤしながら考えつつ、チョコの美味しさを楽しみながら食べすすめていくと板チョコレートのはさんである切込みともう1本、違う切込みがあることに気がつきました。そしてその切込みを慎重に確認してさらに驚きました。
ただ板チョコレートをはさんでいるだけではない、板チョコレートのほかにロイズの「パートショコラ」がぎっしり詰まっているではないですか!この断面に気が付いて、食べきれるか少し心配になったのですが、そんな心配は無用でした。こんなにたっぷりすぎるくらいチョコレートが使われていているのに、嫌な甘ったるさはなく珈琲とともにあっという間に完食してしまいました。パリッとした板チョコレートにしっとりチョコ、あっさりした控え目なパン。ひと口ひと口食べすすめるごとに様々な素材が口の中で顔を出す、そんな「グテ」の魅力を是非あなたも体験してみてください。
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