くらしのこみち

【奥会津】マタタビの笊

今月のお道具
2023.11.29
【奥会津】マタタビの笊
福島県大沼郡三島町で伝承される編み組細工

奥会津地方の山間部で採取される山ブドウ、ヒロロ、マタタビなどの植物を素材とする工芸品で、山間部における積雪期の手仕事としてその技術は縄文時代には完成されていたそうです。

【奥会津】マタタビの笊
今回ご紹介するのは、ネコが大好きな「マタタビ」から作られる笊(ざる)。
マタタビの採取時期は11月初旬から12月初旬に限られており、そのわずか1か月の間に一年分をまとめて確保するのです。
マタタビの枝を採取したあと、表面の皮をナイフで削り取ります。
皮はぎのあとは、裂き割り作業。この作業で蔓を太さに応じて4,5本に裂いていきます。
その後、型を使わずに笊の形に編んで行きます。縁には「クマゴツル」を使用。
編んだ笊は寒ざらしを行うことで強度を増します。

【奥会津】マタタビの笊
マタタビの蔓から作られる、笊(ざる)は水切れが良く、しなやかな手触りです。
野菜を洗ったり、米を研いだりする台所道具として使われてきました。
この笊で米を洗うとにごり汁の吸収を避け、あたりが柔らかいので米の割れや傷を防ぐことができ、お米本来の美味しさを引き出すことができます。
また、大変丈夫で使うほどに色が濃く変化していきます。
地域に住んでいる高齢者を中心に一つ一つ丁寧に制作されるマタタビの笊。
素朴な風合いと経年変化をお楽しみください。

【奥会津】マタタビの笊
【使用上の注意】

① ご使用後はなるべく早くタワシ等で洗い、水気を切って直射日光を避け風通しのよいところに干してください。収納もしまい込まないことをお勧めします。
② お米を研ぐ数分前に、笊にお水を含ませておくと、笊がふやけることにより米粒が隙間に詰まりにくくなります。もし詰まってもさかさまにし、底をトントンと叩くと取れやすくなります。
③ 材料の採取から制作まで全て一人の工人(こうじん)によるものです。サイズもさまざまです。ご了承ください。
④ 目安として直径21センチ程度のものは3合~4合のお米を研ぐのにちょうどよいです。

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