くらしのこみち

2023年(令和5年)9月 長月

歳時記
2023.8.30
白露 9月8日から 大気が冷え、草に露が宿るころ
秋分 9月23日から 昼と夜の長さがほぼ等しくなるころ
2023年(令和5年)9月 長月
重陽の節句
「菊の節句」をご存じですか?
5月5日の端午、7月7日の七夕などと並ぶ五節句の一つで、9月9日の節句のことです。
古来、奇数は縁起のよい陽数とされ、それが連なる日をお祝いしたのが五節句の始まり。
中でも9月9日は一番大きな陽の数字が重なる日として重陽の節句と呼ばれ、昔は盛んに祝われました。
不老長寿や無病息災を祈ります。
同時に旧暦9月は長寿の力があるとされた菊の盛りであったことから、菊の節句と呼ばれるようになりました。
菊は、厄払い、長寿の効能があると信じられてきたためです。菊の花びらを浮かべて愉しむ菊酒や菊花茶は、邪気を払ったり、リラックス効果のあるこの節句ならではの飲み物です。
菊の花を湯船に浮かべて愉しむ菊湯は、現代風にキク科のハーブのカモミールでアレンジもいいですね。
栗ご飯や秋茄子を食べる習慣もあったり、菊をモチーフにした和菓子もたくさん見かけるこの季節。
ほかの節句に比べてあまり知られていない重陽の節句かもしれませんが、今年は菊を意識して過ごしてみませんか?
2023年(令和5年)9月 長月
秋のお彼岸
秋分は春分と同じく昼と夜の時間がほぼ同じになる日で、太陽は真東から昇り、真西に沈みます。
この日から次第に夜が長くなっていきます。
「暑さ寒さも彼岸まで」のことわざどおり、しばらく過ごしやすい気候が続きます。
また、秋分の日を中心に前後3日間、合計7日間を「お彼岸」といい、亡くなった人を偲び、祖先のお墓参りに行く方も多いでしょう。
秋分の日は国民の祝日となっており、「祖先をうやまい、亡くなった人々をしのぶ」ことを趣旨としています。
ちなみに春分の日の趣旨は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」となっています。
春と秋、同じお彼岸なのに、祝日の意味が違うのですね。
いずれも季節の変わり目。故人に思いを馳せる年中行事であるお彼岸は、季節の移りかわりを教えてくれる指標として私たちの暮らしに根付いています。
お彼岸にいただく和菓子といえば「おはぎ」ですね。
日本では古くから、赤には魔除けの効果があり、邪気を払い厄除けになると考えられており、お祝いや儀式のときに小豆を使用していました。
また、砂糖はとても貴重なものであったため、お彼岸ではご先祖様へお供えをして、感謝の気持ちや様々な願いを込めていただくようになったということです。
2023年(令和5年)9月 長月
戻る