くらしのこみち

2023年(令和5年)8月 葉月

歳時記
2023.7.31
立秋 8月8日から 暦の上での秋の始まり
処暑 8月23日から 暑さが峠を越えるころ
夏と秋が行き合う季節
「今日から立秋、暦の上では秋の始まり」とテレビではよく聞くフレーズですね。実感としては秋なんてとんでもなく、夏真っ盛りの8月ですが「立秋」を意識して小さな秋を探してみませんか。
立秋の初候は「涼風至(すずかぜいたる)」。涼しい風が初めて立つという意味で、朝晩の風にふと、かすかな秋の気配を感じることがあります。
また、空には入道雲に混じり、刷毛で掃いたような秋の雲やうろこ雲が同居した、夏と秋の「行き合いの空」が見られます。日は夏至からだんだんと短くなってきています。終わりゆく夏の中で、ふと垣間見える「秋」の風情を探してみるのはいかがでしょうか?
2023年(令和5年)8月 葉月
お盆、そっと手を合わせる
8月には日本独自の行事のお盆があり、その風習は各地でさまざまですが、盆提灯や精霊棚を用意して、お花やお菓子、そして精霊馬を供えるのが一般的なようです。
きゅうりとなすに割り箸や楊枝をさし、それぞれ馬と牛に見立てた精霊馬には、この世へは「きゅうりの馬」で早く戻ってきてもらい、あの世へは「なすの牛」でゆっくりと、という想いが込められています。
お盆の入りも各地さまざまで、東京では7月13日(新盆)、沖縄では旧暦の日付に合わせるため、今年は8月28日になるそうです。
大阪は月遅れ盆といって8月13日です。
一年に一度、ご先祖さまの霊をお迎えして、偲び、供養するお盆の行事。
今私たちがここにいるのも、ご先祖さまのおかげ。
我が身につながるご先祖さまに感謝し、形にこだわらずともそっと手を合わせる静かなひと時を大切にしたいものです。
2023年(令和5年)8月 葉月
虫の音に秋の気配
処暑のころになると、日が暮れる時間には耳を澄ますと虫の音が聞こえてくるようになります。
夏のセミの大合唱から、秋のコオロギや鈴虫のどこか物憂げな鳴き声を聞くと「そろそろ夏の終わりだな」と少し寂しくなるのは子供のころから。
もうすぐ終わる夏休みが残念だったのでしょう。線香花火も夏の終わりだと、切なさを感じます。
、特に意識しなくても、咲く花や、吹く風、空の高さ、虫の音から季節の移りかわりを感じる日本人。
最近は夏と冬が長く、春と秋がとても短いですよね。
だからこそ、ふとした瞬間に気づく秋の気配を敏感に感じ取り、足早にやってきて去っていく秋をこの時季から愉しみたいと思います。
2023年(令和5年)8月 葉月
戻る