くらしのこみち

2023年(令和5年)6月 水無月

歳時記
2023.5.29
芒種 6月6日から 稲や麦など穂のなる穀物の種を蒔くころ
夏至 6月21日から 一年で最も日が出ている時間が長い日
2023年(令和5年)6月 水無月
梅雨の愉しみかた
季節は6月に入りました。6月と聞いてまず思い浮かぶのは、やっぱり梅雨です。
梅雨入りのことを「入梅」といいますがこれは暦の上でのことで雑節の一つで、今年は6月11日。(実際の梅雨入りは2023年は5月29日。近畿地方では10年ぶりの5月の梅雨入りとなりました。)
そもそも「梅雨」とは何でしょうか?
気象庁によると「春から夏に移行する過程で、その前後の時期と比べて雨が多くなり、日照が少なくなる季節現象」です。
だいたい、6月頃に梅雨入りし、7月中旬くらいまで雨が続くことが多いようですね。
雨が続くと外にでるのもおっくうだなぁと感じるのですが、日本人は、そのような雨が多い中での暮らしの知恵を持っています。
例えば梅仕事。
梅の実が育ったこの時季には、梅シロップや梅酒、梅干しづくりなどを作るのに最適。古くから健康食とされる梅。
今年はおうちで梅仕事を始めてみませんか?
2023年(令和5年)6月 水無月
簡単「梅干しづくり」のポイント
七十二候にも「梅子黄ばむ(うめのみきばむ)」とあるように、梅の実はこの時季に熟し、梅干しづくりも最盛期を迎えます。梅選びのポイントは皮。
鮮度の良い梅は果皮にハリがあり、表面に傷がありません。梅酒にするときは青くて硬いものが適しているのですが、梅干しを作るときには、黄色みをおびたものが良いでしょう。
昔ながらの白梅干し(塩分20%)なら、作り方はとっても簡単です。
●梅1kg(南高梅がおすすめ)
●粗塩200g
●焼酎(消毒用)適量
●重石(梅と同じ重さ)1kg
を用意してください。
保存用の容器は琺瑯やガラス、陶器がおすすめです。容器を焼酎で消毒し、塩、梅干しを交互に重ねていきます。最後は塩が一番上になるようにし、重石をして、冷暗所に。数日置くと梅酢が上がってきます。その後は土用の丑の日、晴れの続く日に土用干しを。大きなザルに並べて干します。
その後保存容器に保存し、3ヵ月頃からおいしく食べられます。
2023年(令和5年)6月 水無月
夏の短夜
夏至は一年のうちで最も昼が長い日とされますが、梅雨時期には雨が多いためなかなか実感がわきにくいかもしれません。長雨のあとの夏はもうすぐです。 「秋の夜長」に対し、「夏の短夜」と呼ばれるのはこのころ。ゆっくりと日が暮れていき、完全に日がなくなる時間が短いからです。夕方から夜にかけて少しずつろうそくなどで明かりを灯しながら、ベランダや庭で晩酌を愉しんでみてはいかがでしょうか?
2023年(令和5年)6月 水無月
夏越の祓
一年の折り返しとなる6月30日は「夏越の祓(なごしのはらえ)」という行事が各地の神社で行われます。
イネ科の多年草である茅(ちがや)を束ねた「茅の輪(ちのわ)」をくぐり、心身を清めます。積み重なった罪穢れや降りかかる厄災を祓い清め、無病息災を願いましょう。この時には「水無月」と呼ばれる和菓子をいただく習慣があります。白いういろうの上に、魔を祓う力を持つとする小豆を載せた和菓子で、暑気を払う氷のかけらを模し、三角の形に切られています。暑さに負けないよう願いを込めていただきましょう。
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