ここ最近、家の玄関を開けたとき、仕事帰りに最寄り駅に降り立ったときに海の匂いを感じる季節になりました。十数年銀座で働いていたことがあるのですが、そういえば梅雨ごろ会社を出る時に海の匂いを感じる時があったなぁと、ふとその頃が懐かしく思い出されました。何かの条件が重なって東京湾の匂いが強く発せられるとき風にのって運ばれて、きらびやかな街の１本道を入ったところに漂っていたのでしょう。銀座通りの街並みからはあまり想像できない、あの何とも言えない懐かしい匂いが。

短かった梅雨時期をはさみ前回のビーチクリーン活動から期間が空きました。その間に冒頭で触れた海の強い匂いが気になっていたので波打ち際まで確認しに行くと、なんと流れ着いたアオサがびっしり。どおりで銀座の裏通りで感じていた海の匂いより、なんとなく美味しそうな⁉お茶漬けや干物を思わせる匂いだと思ったら犯人はこれでした。写真の手前、白いのはアオサが干からびたものだそうで、水分を含んだ緑の状態も含め、このあたり一帯に流れ着いていたようです。今日は暑く体力を消耗するからと、朝ごはんにまるごとバナナを食べてきたのに、まだ開始10分ちょっとだけどこの匂いのおかげでしょっぱい物が欲しくなる…。

そんなどこか食欲そそる海の匂いを感じながらゴミを拾っていくと見慣れたフォルムのゴミを発見。お菓子を食べた後、ついつい手持ち無沙汰でパッケージを結んだようなアレです。中の細かいごみがこぼれないように、かさばるゴミを小さく折りたたむ…その行動自体はなんとなく丁寧さや心遣いを感じる行為のような気がするのですが、そんなゴミがなぜ漂着ゴミとして出てくるの？と今回ばかりは心の中で「ばかもーん！」と叫びました。 よく見るとパスタのパッケージなのでこれは家庭ごみだと思われます。よくコンビニや駅などのゴミ箱に「家庭ごみを捨てないでください」という注意書きを見かけますが、そんな迷惑な人が1人もいなければ注意書きを貼ることもないのでしょう。ビーチクリーンをしていても家庭ごみの詰め合わせのような袋を拾うことがあります。（分別の為に中を開けた時の感想です）そんな家庭ごみが海や人気の少ない海岸に捨てられ、風で飛ばされているかと思うと悲しくなりますよね。花火の残骸や、たばこの吸い殻、コンビニのお弁当などのゴミもとても多いのですが、わざわざ家からゴミを持ってきて捨てているかと思うとやるせない気持ちでいっぱいになります。わざわざ捨てたのではなく、せめて気が付かず落としたと思いたい…けどそんなことあるか？と気持ちがどんどん重たくなってゆきます。

相手を思いやりお互いを尊重し合う気持ちを大切に

そんなこんなでお腹は減ったが心はずんっと重たくなった今回のビーチクリーン活動、最後に（元）カラフルな手袋を見つけたので、ハワイのハンドサイン“シャカ”を作って写真を撮りました。身近な人にも、見知らぬ人にも思いやりを忘れず、お互いを尊重し合う社会、多様性が求められ、強い弱い多い少ないのない世界。きれいごとかもしれないけれどせめて少しでもきれいな心を目指したいものです。